戦中戦後の昔話の好きなお客さんが
軍隊のデタラメを知りたければコレを見ろと教えてくれた「兵隊やくざシリーズ」
Amazonプライムで3本見た
勝新太郎主演
1965年から全9本 大衆娯楽映画として作られたようだが、一言で言って苦痛。
まったく楽しめなかった。
戦争や軍隊を扱ってるので、別に楽しめなくても良いんだが、
何か感慨や教訓や内省のきっかけみたいな物が得られるのが、
普通の「戦争映画」だと思っていたがコレは違った。
ふつうの「やくざ映画」「任侠もの」の方が100倍マシ!
暴力、不正、搾取、差別
いわゆる従軍慰安婦
いわゆる虐殺
全部入り映画だ
それらデタラメを指摘はしつつも糾弾するでもなく
なんとなく、巻かれながら汚れながら不条理の世の中を、
のらくらたくましく切り抜ける冒険活劇として描いている。。。。ようだ
根底には、敗戦をバネに生きる「決意」は感じる。
戦後日本が歩んだ姿にも、この映画の「決意」が流れているのかもしれない。
アメリカの戦争映画を観たあとの
気持ちのザラザラとも決定的に違う
こんな不消化感の残る映画は初めてだ
ある意味 の敗北感を覚える
なにに負けたのか?
僕らの
法や常識にすがって生きる
感覚のひ弱さ
という感じ
安心安全の欺瞞
とりあえず今は在るモラルの
薄氷の上を歩いてる様な感覚がある
娯楽映画だから
誇張も脚色もあるだろうが
9本も作られた人気シリーズという事は
それなりに「共感」を呼ぶなにかが有るのだろう。
当時戦後20年
高度経済成長期真っ只中の人たちの心に
コレが受けたのは、痛快な勝新の演技だけでは無いはず。。。
当時の観客は
どういう気持ちでこれを見たんだろう?
この映画
どういう意図で作ったのだろう。。。
かなり複雑な気持ち
彼らに言わせれば
僕がナイーブすぎるのだろうな
「戦争に比べりゃ今の苦労なんて。。。」というのは戦中戦後世代がよく言うフレーズ。
自分のやり場の無いストレスを
自分よりひどい境遇の兵隊に重ねていたのだろうか?
「三丁目の夕日」が日なたの60年代だとすれば
日陰の60年代映画という感じだろうか
全ては僕の勝手な想像だが。。。
本当の所は分からない
生きていくというのはどうしょうもないことが有るという事。
それは頭では分かっている
だけど身体は知らない。
こんな映画を理解出来ないまま
一生を送りたいが
どうも時代は不穏な方向に動いている予感がしてならない
この映画の様な社会が再現しない事を祈りたい
そういうえば
当時の流行歌
「上を向いて歩こう」ってのがあったなあ
なんとも皮肉
なんとも反語的
3月にWOWOWで全作放映あるようです
加入してる方見てみてくれませんか
www.wowow.co.jp/pg_info/wk_new/010247.php
眠れないから
江戸の人情噺 落語を聞いてクーリングダウンしてる。。。