2014/05/24

Omnia vincit Amor.:「愛はすべてに打ち勝つ」

数年前NHKの番組です。
画家バルテュスの娘 ハルミさんが「絵を描くなら日本の書を学べ」と言った父の言葉をたどって日本を訪れ、書の世界・精神を体験するというような内容でした。

またどこかで見た篠山紀信の作品で、
王か司祭かかのような衣をまとい、古城を自宅としていたバルテュスのポートレイトは不思議な魔力を漂わせていました。
窓から薄い光に浮かびあがるのアトリエの風景も
夢か現か見分けが付かないような倒錯したフォーカス。。
篠山紀信ぽくなくて、とても心に残っていたのです。

絵画作品は見たことありませんでしたが、気になる画家バルテュス。
その実物に会えるという事で東京出張の最終日、上野で開催中のバルテュス展に行ってきました。

行って大正解でした。

揺らぎ、迷い、不安は、現代のキーワードだと感じていますが、
バルテュスの時代にも漂っていた空気なんでしょうね。
その中で、脆く儚い美の極み。
その瞬間の光を真摯に激しく追い求めた生涯の画業をたどりながら
彼の哲学を垣間見ました。

今回もたくさんの示唆をいただきました


http://balthus2014.jp/

2014/05/06

完全なものって

巨大構造物を見ると感じる憧憬と畏怖。

巨大モニュメントは、「時代の価値観」「栄光・繁栄」を讃えるシンボルとして造られるのだろうけれど、時を経ると、建立当時の判断を検証するような全く違う不思議な力を発する。

歴史のズレを見える化する装置・・・いや、ヒトの決断というモノがいかに「儚い思い」かということを突きつけてくれる。

モニュメント、メメント。という言葉に交わる 哀しさ、虚しさ。

モニュメント。
造った瞬間に朽ち始め、維持のために心を砕き繁栄の原資を蝕み、汲々と闘わざるをえない怪物
時を経ても価値や意義がブレないモニュメントを造るということは、ある意味 、、「  」への挑戦。

不朽・無謬を信じる者に無言の戒めを与える「 」の化身
自らのあるべき様に気付きの機会を与える「 」の使者

大きな体躯のピエロ。はたまたトリックスター
http://www.huffingtonpost.jp/2014/04/29/spomenik_n_5230953.html?utm_hp_ref=japan-world

始めたことは終わる。
写真は誰のため何のために撮るのか?
もちろん自分。

それだけ。。。?!