2014/09/20

喜びも哀しみも、すべては自分の内に。

某日の昼間。行き先を告げずに店を抜け出すという。背徳感漂う甘美な3時間を過ごしてきました。

映画「大いなる沈黙へ」
予告編を観た時から絶対行くことになるなと思ってたのですが、間に合って良かった。
時間作れて良かったです。

薬草系苦味酒の好きなヒトには定番の、シャルトリューズ。
亡くなった老マスターが教えてくれた、
「修道士たちが130種類の薬草を使って100年かけて生み出した長寿の秘蔵酒。」というエピソード。
この酒へのロマンを膨らませてくれます。僕のお気に入りの一つです。

グランド シャルトリューズ 修道院はまさにこの映画の舞台。。
まあ、、ですけど、映画に酒造りは表面的には関係してません。^_^;
だけど僕には大事な要素。
お酒と映画はともに、「夢見あそびの宝箱」ですから。。

さて、この映画
BGMもナレーションも無い3時間弱の長編

粛々淡々と、続く黙祷。。。世の中の雑事を払いのけて、神の姿を求めつつ
ひたすら自分と対面する 静謐無音の連続。。。
有るのは小鳥の鳴き声、小川のせせらぎ、修道士たちの音にならない祈りの呟きと衣擦れの音だけです。

静かな時間が続くので、観ているうちに、永平寺での只管打坐の体験が甦ってきました。
なんでしょうねえ、あの内なる泉が活性化する感覚。
元気が湧きます

映画とともに内観をつづけると、突如、静寂を打ち破る 鐘の音にホッとこの世に戻って
方向修正、そしてまた祈り、、、疑似修道体験です

食事や作業を通じて、命のありがたさと豊かさの再確認をさせられたり。。。
気づきの連続です。

Simple is the best.

時おり画面に聖書の一節が表れて、観るものに問いかけてきます。
修道士たちの日常を疑似体験することでいろんな事が想起されます。

与えられた豊かさでは、幸せになれない。
多くを求めるから、苦しみも生み出すのだという、欲と業にまみれて疲れ果て流されている現代人の日常とは、
全く違う「豊かさ・幸福の物差し」を啓示された様な気持ちがしました。

僕ら、持っている物を一旦置いてみる勇気を試されていますね。
幸不幸の元は自分の中にあるのだということ。
世界の見え方も自分が決めている。いわんや自分そのものも。。。

3時間弱
もちろん答えなんか得られませんが、とっても良い時間を過ごさせてもらいました。





映画の最初と見終わった後で、この一節から受ける印象、変わりました。


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